漫画ホラサス!

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【怖い話】隙間 ~押し入れに潜むモノ~

深夜、部屋の中は勉強に没頭する僕だけの世界だった。外の静けさとは裏腹に、心の中は受験への不安でざわついている。机の上の教科書とノートからは、未来への扉が開くかのような重圧が感じられた気がしたよ。

 

ずっと机に向かっていると、肩が凝ってきて、ふと休憩がてら部屋を見回すんだ。そうしたら、後ろの押し入れのふすまが少し開いているのが目についたんだよね。

あー、開いてるなぁ~ぐらいで最初は別に気にも留めなかったんだけど、目がチラチラそっちに行くうちに、なんだか気になり始めて。

「集中しなきゃ」と思って、立ち上がって押し入れの扉を閉めたんだ。「ぱちん」と音を立ててね。よしっとまた机に向かうんだけど、気付いたらまた、ちょっとだけ開いてるの。正直前回のテストの結果は思うようにいかなくてさ、ここのところ焦ってたし疲れてるんだろうなって思ったけど、変だよね。

だって普通に考えてこの部屋には僕以外いないし、もう開くわけないんだもの。心の中では何かがおかしいって分かってたし、その小さな隙間に不気味な何かが潜んでるんじゃないかって内心落ち着かなかったけど、認めちゃったらもっと悪い方向にいくんじゃないかって気がして、必死に気付かない振りしてたんだ。

 

そして、また勉強し始めるんだけど、全然集中なんかできない。怖くて振り返ることもできない。そうしてシャーペン握ってるだけで、全然手なんかもう動いてないんだけど、しばらく硬直してたら今度は「プスッ、プスッ」って小さな音が聞こえてくるんだよ。

最初は「あれ、雨かな?」とか思ったけど、雨音じゃない。もっと生々しい音で、なんていうんだろう、厚紙にコンパスの針を刺しているような…しかもどうやら押し入れの方から聞こえてくるみたいで…。

 

正直、かなりパニックになったよ。でも、もう限界だった。これ以上気付かない振りはできないってさ。僕は勇気を出して振り返った。やっぱりふすまは少し開いてるの。そして僕はゆっくりと押し入れに近づいたんだ。

も心臓はバクバク。さっきの音なんかよりもよっぽど僕の心臓の音の方が大きんじゃないかって。

それで、意を決して一気にドアを全開にすると…!

 

 

音は止まっちゃった。何もない。ただの暗い押し入れ。けど、なんだか空気が重たい感じがして、急に寒気がしてね。

 

 

それでも僕は何もなかったことに安堵して「なぁんだ、やっぱり気のせいか」ってホッとしてまた机に向かったよ。何事もなかったように勉強を再開しようとしたその時、ふと壁に掛かった鏡を見たんだ。

そしたら、そこに映っている自分の顔が…おかしい。目も鼻も口もなくて、ただの黒い穴がいくつもあいてる。自分の顔なのに、自分じゃないみたいな…っていうかなんだコレ?

 

 

一気に我に返って、恐怖で全身が凍りついたよ。一瞬鏡から目を背けたけど、恐怖を振り払うように、もう一度鏡を見たんだ。するとそこには普通の自分の顔が戻っていた。ただ、心臓はまだバクバクしてて、その夜はもう眠れなかったんだ。

 

あれ以来、同じようなことは起きてないし、あの晩だけ。

でも今思い出しても、あの「プスッ、プスッ」という音と、あの黒い穴だらけの顔は忘れられないよ。あれは一体なんだったんだろうね。押し入れの中に何かがいたのかな…。いや、考えたくもないや。

 

キミの部屋の押し入れ、今隙間開いてない?

 

 

プスッ プスッ

 

 

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