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【ヒトコワ怪談】SNSの陰影

大学三年生の悠斗は、友人に勧められて「ShadeChat」という匿名性の高い新しいSNSアプリを試し始めた。

 

彼はこのアプリの自由で開放的なコミュニケーションを楽しんでいたが、ある日、「Aya」と名乗るユーザーから接触があった。彼女のメッセージは友好的で、話題も悠斗の興味を引くものだった。

 

最初のうちは、彼らのやり取りは楽しく、共通の趣味や音楽、映画について熱く語り合った。しかし、Ayaは自身の個人情報については一切明かさず、顔写真の交換も拒否した。それでも悠斗は彼女とのコミュニケーションを楽しんでいた。

 

数週間が経過し、Ayaからのメッセージに小さな変化が現れ始めた。

彼女はときおり、悠斗が子供の頃に住んでいた地域の話や、彼女が知っているはずのない地元の出来事について言及することがあった。

初めは偶然かと思われたが、その言及が繰り返されるにつれ、悠斗は不安を感じ始めた。

 

彼女の話題の中には、悠斗が小学生時代に参加した地域の祭りの詳細や、彼がかつて遊んだ公園の名前など、具体的で個人的な情報が含まれていた。

これらの情報は悠斗が誰にも話したことのないものだった。

 

悠斗はAyaがなぜこれらのことを知っているのか疑問に思い始めた。そしてある夜、彼は自分の過去のアルバムをめくりながら、小学校のクラス写真に目を止めた。

 

その中には、自分がよくないことをした記憶のある同級生が写っていた。彼とその同級生はよく衝突しており、その同級生がしばしばいじめの対象になっていたことを思い出した。

 

更に調査を進めるうちに、その同級生の家族構成についての情報を手に入れ、彼には妹がいたことを知った。

その妹の名前が「彩」ということも分かり、彼はAyaと彩が同一人物である可能性に気づいた。

 

Ayaからの次のメッセージが届いたとき、悠斗は彼女に問いただす代わりに、彼らの過去の話をそっと振った。

すると、Ayaは予想通り、その過去の出来事に精通しているかのように話し始め、ついには悠斗に向かって彼の過去の行動がどれだけ自分たちの家族に影響を与えたかを告げた。

 

悠斗は自分の過去の行動によって誰かの人生が狂わされた可能性に打ちのめされた。彼はAya、つまり彩に対して謝罪の意を表明しようとしたが、彼女の復讐はすでに進行中であった。Ayaは彼のSNS上の行動を操作し、彼に不利な証拠を集めていた。

 

 

悠斗の日常は完全に変わってしまった。彼のSNSのアカウントは、Aya、すなわち彩によって完全に乗っ取られてしまい、彼の名前で不適切なメッセージや嘘の情報が拡散されていた。

 

彼の友人たちからは疑いの目で見られ、彼自身も信じられない程の精神的圧力にさらされていた。この復讐劇は、ただの恨みから生じたものではなく、彼の過去の行動が引き起こした深い傷跡を晒すものであった。

 

我慢の限界に達した悠斗は、どうにかして彩と直接対峙しようと決意した。彼は彩の居所を突き止めるため、昔の知り合いやSNSの繋がりを辿り始めた。

 

しかし、その調査が進むにつれて、衝撃的な事実が明らかになった。

彩はすでに亡くなっており、彼女の兄が苦しみから解放されるために選んだ自殺を、彩もまた選んだのだった。

 

その事実を知った時、悠斗は完全に打ちのめされた。

 

「Ayaってじゃあ、一体誰? 何故? 何? 何が起きてる?」

 

部屋で困惑し、自分の行動が引き起こした連鎖の結果に絶望して暴れていると、彼の母が現れた。

 

彼女の表情は悲痛で、目には涙が溜まっていた。「悠斗、本当のことを話さなければならないわ。あのAyaの正体、それは…私よ」

 

悠斗はその言葉を受け入れることができなかった。

彼の母は、息子がいじめに加担し、その結果として同級生が自殺に追い込まれたことを知っていた。

罪の意識に苛まれ、そして息子に正義の裁きを下すべきだと決意した彼女は、SNSを通じて息子に対する復讐を計画したのだった。

 

母はさらに話を続けた。「私たちが苦しむのは当然のこと。あなたが彼にしたことを、私があなたに...。私たちは一緒に償わなければならないわ」彼女はキッチンから包丁を取り出し、その鋭い刃を見つめながら悠斗に近づいた。彼女の目には狂気じみた決意が宿っていた。

 

物語は、母が包丁を手にした瞬間、凍りつくような静寂の中で終わる。悠斗と母親がどのようにその深い闇と向き合うのか、その答えは語られないまま、あなたに委ねられる。

 

 

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